石油を原料とした化学的合成品の着色料に対して、天然物が本来もっている色素のうち、食品の着色に使われるものを天然着色料といいます。

つまり、動物や植物、鉱物などの自然界に存在するものには、独自の特徴をもった天然色素が含まれていて、それを人工的に取りだしたものと、食品素材の中にもともと含まれているものを利用して着色する場合があります。

合成着色料の毒性が明らかになって、発がん性などの理由によって、いくつもの種類がこれまで使用禁止になってきましたし、消費者も合成着色料を嫌うようになっています。

これに代わるものとして、近年広く使われているのが、天然着色料です。

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「天然添加物」というと、いかにも安全で高級そうなイメージがあることや、合成着色料という表示がいらないことは、製造者にとっては大きなメリットです。そのためか、タール系色素の使用量の減少に反して、天然着色料の需要は年々増加してきました。このようなことから、天然着色料についても、不必要な着色が行われないよう規制がつくられています。

しかし、天然着色料のうち数品目は動物による毒性試験が行われていますが、実質的には野放しの状態で、日本は先進国の中でも、合成着色料について規制がとても甘い国といえます。
いずれにせよ、天然物だから安心という根拠はなく、天然に存在する有害物質はいくらでもありますし、色素から着色料にするまでの製造方法に問題があれば、本当の意味で天然とはいえません。食品に添加するものである以上、その毒性について明らかにしてほしいものですね。

以下は、100種類以上も流通しているといわれている天然着色料のうち、代表的なものになります。

 天然着色料の種類

β-カロチン

業務用に製造されているのは、石油原料のβ-ヨノンから合成される食品添加物で、規格、成分などが規定されています。

原料は主に人参で、橙黄色または黄色の着色料として、世界各国でバター、マーガリン、清涼飲料などに用いられています。

ビキシン

ベニノキの種子を原料とする、油溶性の色素です。食品添加物にしていされている、水溶性アナトーは、このビキシンを水酸化アルカリで加水分解したものです。バターやマーガリンなどに使われます。

カプサンチン(パプリカ色素)

原料は、香辛料の一種のパプリカで、橙黄色~橙赤色の色素です。

リコピン

トマトが原料で、赤~赤橙色の色素です。トマトジュース、ケチャップ、ゼリーなどに使われます。

クチナシ黄色素

クチナシの果実やアヤメ科のサフランの花で、その色素は古くから食品に使われています。たくあん、栗の甘露煮、梅酢などのほか、製菓、餡類、中華めんなどに用いられます。

クロロフィル

ほうれん草、アルファルファなどの緑葉植物、クロレラなどの微細藻類を原料とした緑色色素です。古くからヨモギを使った草もち、粉茶を入れた茶飴などに用いられていましたが、現在では、粉わさび、水ようかんなどに使われることが多いです。
また、脱臭効果があり、歯磨き粉などにも使用されています。

ラッカ色素

害虫カイガラ虫の一種で、ラックカイガラ虫が自分の体を保護するために分泌する液体を乾燥させた色素で、赤色の着色料です。タール系着色用の代替品として、いちごジャム、キャンディー、冷菓、かまぼこなどに用いられます。

コチニール色素

サボテンに寄生するエンジ虫から取られるもので、赤橙色~紫色を表す色素です。ラッカイン酸と同様にタール系着色料の代替として利用されています。トマトケチャップなどトマト加工品、ジャム、キャンディー、清涼飲料などに用いられています。

シソ色素

赤紫蘇から抽出される色素です。これを梅酢などで酸性にすると、きれいな赤色になるので、梅干、生姜などの漬物類、シロップ、粉末ジュース、サワー類など、主に酸味のあるものに利用されます。

ナスニン

ナスから抽出する色素。ナスニン(紫色)とヒアシン(青褐色)の二種類があります。あられ、せんべいなどの焼き菓子、冷菓などに使われます。

カーサミン、カルタミン

いわゆる紅花色素のことで、古くからの天然赤色色素です。赤色色素のカーサミンは化粧品に使われ、食品用にはカルタミンが使われます。
清涼飲料、乳酸飲料、めん類、クリーム類、お菓子などに使われています。

ブドウ果汁・果皮色素

ブドウ果汁が原料で、赤色の色素です。ワイン、シロップに古くから利用されていて、現在では、清涼飲料、ジャム、冷菓などにも用いられます。

紫トウモロコシ色素

紫トウモロコシの種子からとれる赤色の色素です。清涼飲料、シロップ、キャンディー、チューインガム、冷菓、漬物などに用いられます。

カカオ色素

チョコレート、ココアの色は原料のカカオ豆に含まれる色素の色で、カカオ豆から抽出されたものが市販されています。菓子類、飴類、冷菓、アイスクリーム、バタークリーム、ソーセージのケージングなどに用いられています。

ベタシアニン

赤ビートの根から抽出した赤~赤紫いろの色素です。ビートレッドともいわれます。菓子類、洋菓子用クリーム、粉末即席食品、アイスクリーム、ゼリー、冷菓などに用いられます。

クルクミン(ターメリック)

ショウガ科のうこんの根茎からとった、黄色色素です。古くからカレー粉、たくあん、辛し漬け、バター、チーズ、西洋辛子などに用いられているほか、ウィンナーソーセージ、甘露煮などにも用いられています。

カラメル

ブドウ糖、ショ糖、水あめ、澱粉加水分解物、糖蜜などの糖類を原料として、焙焼法という方法で製造されますが、製造工程から考えると、「天然色素」とは呼び難い色素です。

用途は広く、コーラ、ウィスキー、レトルトカレー、醤油、ソース、菓子、プリン、ミルクコーヒーなどの飲料、キャンディー、粉末調味料などに使われ、最も使用量の多い着色料のひとつとなっています。

 

いかがですか。このように、「天然着色料」とよばれるものには、実にさまざまな種類があります。

大切なのは、天然の色素からできた着色料だからといって必ずしも安心ではないということ。中には、原料から着色料となるまでに人工的・合成的な工程が加えられ、天然とは程遠いものも存在します。

原材料表示だけでそれを見分けることはとても難しいですが、大量生産型の安価な食品であれば、そのような着色料が使われている可能性を疑ってみたほうがいいかもしれません。

「天然」という言葉に安易に惑わされない目を持つことが大切です。

 

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Written by オーガニック倶楽部通信

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