注目のグルテンフリーとは?

2022.07.28

お役立ち情報

耳にする機会が増えた「グルテンフリー」という言葉。
文字通り、グルテンを全く含まない食品のことです。また、小麦を含む食品を摂らない食事療法のことを指します。

グルテンとは?

グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦など、麦類に含まれるタンパク質のことです。

小麦粉に水を加えて混ぜると、グルテンたんぱくが粘り気となり食品に弾力性やコシが出ます。
パン作りでは、生地を膨らみやすくして、食感や味の良さを作る役目をします。

なぜグルテンフリー?

そもそもグルテンフリーは、グルテンに対してアレルギーを持つ人のための食品です。特に、パンが主食である欧米人の間で多く見られ、人口の約10%以上がグルテンに対して何らかのアレルギーを持つというデータもあります。

グルテンアレルギーの代表的なものが「セリアック病」で、アメリカでは人口の約1%が該当し、さらに増加しているといわれています。消化管の粘膜がグルテンたんぱくによって傷つけられて起こるもので、栄養素の欠乏や消化障害など、その症状は非常に深刻です。

また、セリアック病より比較的症状の軽いものに「グルテン過敏症」があり、グルテンを摂取すると頭痛や吐き気などの症状が出ます。

これらのグルテンアレルギー患者の増加にともなって、欧米ではグルテンフリー市場が急速に拡大していて、スーパーや飲食店などでもよく見かける機会が増えました。

アレルギー以外にも。グルテンフリーを選ぶ理由

グルテンフリーの食品を選ぶ理由は、アレルギーだけではありません。

グルテンフリーの食事には具体的に下記のような効果があるといわれています。

・コレステロール値の改善

・腸内環境の改善

・体力が増す

・美肌効果

・冷えやにきびの改善

・食欲の抑制

・疲労感の減少や睡眠の改善

・むくみやコリの改善

・関節炎の改善

・糖尿病や心臓病、ガンなどのリスクが減る

・グルテンフリーの食品を選ぶことで体に良くない加工食品を食べる機会が減る

・果物や野菜を摂る機会が増える

・グルテンフリーの食品にはビタミン、ミネラル、抗酸化物質をより含むものが多い

 

日常でグルテンを完全に避けることは意外と難しいもので、グルテンフリーの実践には正しい知識が必要です。
そこで今日は、正しいグルテンフリー生活をするためのヒントをいくつかご紹介します。

1.買い物するときは食品ラベルを見る習慣を

グルテンを含む原料が使われていないか、商品に付いているラベルの原材料表示を必ずチェックするようにしましょう。
穀物を使った食品であれば、ライ麦、大麦、オーツ麦、スペルト小麦、その他、これらのかけ合わせ品種を使っていないか確認しましょう。これら穀物にはグルテンが含まれます。

 

2.代替品をうまく活用しましょう

パンやパスタ、クラッカーなどはグルテンを含みます。だからといって、これら全てを諦めなければならないわけではありません。
これらには、グルテンを含まない原料を代替したものもあります。小麦の代わりに玄米を使った玄米パスタや、米粉を使ったパンなどです。
最近は日本でもこれらのグルテンフリー代替品が増えてきていますので、スーパーなどで探してみてください。

3.多くの食品が本来グルテンフリーです

野菜や果物、お肉、お魚、チーズや卵などは、もともとグルテンフリーです。加工品を使うのではなく、これらの食品を上手に摂り入れるようにしましょう。

4.グルテンフリーの穀物を楽しむ

グルテンフリーイコール穀物フリーではありません。キヌアや蕎麦、とうもろこし、キビ、アワ、タピオカなど、生来的にグルテンフリーの穀物なら摂ることができます。
てんぷら粉やお好み焼き粉に米粉を使ったり、麺類なら、10割蕎麦やビーフンにしたり、クッキーやクラッカーの代わりに、玄米煎餅やキヌア煎餅を食べるなど、グルテンを含む穀物とこれらを上手に置き換えましょう。

5.アルコールに含まれるグルテンについても知っておく

ワイン、シェリー酒、蒸留酒、リキュールなどのお酒は基本的にグルテンフリーですが、ビールのほとんどがグルテンを含みます。
中にはグルテンフリーのビールもありますが、その場合、「グルテンフリー」と表示されていることが多いので、表示されていない場合はグルテンが含まれる可能性が高いといえます。

 

6.グルテンの二次混入もあります

ほんのわずかなグルテンにも反応してしまうセリアック病の患者さんなどは、グルテンの二次混入について注意する必要があります。
お料理をする前にはキッチンをきれいにふきとり、グルテンを含む食品と接触する可能性のある食材や食器は使わないようにするなどして、グルテンが混入しないようにしましょう。

 

7.ソース類にもグルテンが含まれています

醤油やソース類には小麦を使ったものが多く、したがってグルテンを含むことになります。
お店で選ぶ際は、ラベルを見て、グルテンを含む原材料を使っていないか確認しましょう。
自分でオリジナルソースを作るのもよいでしょう。

 

8.習うより慣れろ

自分にとって最適なグルテンフリー食材を見つけることは、味の好みにも関わるので、意外と至難の業です。さまざまなグルテンフリー食材を試しながら、まずは味や使い方に慣れることが大切。その中で自分に合ったものを見つけていきましょう。

 

9.グルテンフリーは美味しくてヘルシー

色々な制限があり実践するのは大変そうなグルテンフリーですが、それ以上に健康面でのメリットがあります。また、美味しいグルテンフリー食品は市場でも増えていますし、工夫をすることで自分の好みに合った食事を作ることができます。
アレルギーを持っている人もそうでない人も、グルテンフリーに切り替えることは、自分の健康のためのポジティブな変化だと捉えて続けることが大切です。

いかがですか。このように、日常生活において制限や工夫が少々必要となるグルテンフリーですが、視野を広げると生活に取り入れられそうですよね。無理のない範囲でグルテンの摂取を控えるグルテンカット生活スタートしてはいかがでしょうか?